Yahoo!のAI検索「Agent i」
ショッピング広告を有償化
AI回答内の広告が本格的な課金面になりました。一方、広告主は配信を止められず、掲載面別実績や検索クエリーも確認できません。まず必要なのは、成果を断定しない予算監視と計測基盤です。
LINEヤフーは2026年9月1日、AIエージェント「Agent i」の回答結果エリアにおける検索広告(ショッピング)のテスト配信について、8月31日から課金対象にし、配信機会を拡大したと公式案内を更新しました。広告は会話内容に応じてシステムが表示します。
実務上の核心は、広告面が増えたことだけではありません。検索広告(ショッピング)ではAgent iへの配信を停止できず、掲載面ごとの実績も確認できません。検索クエリーレポートにもAgent iの掲載実績が反映されないため、従来の検索広告と同じ粒度で検索意図・費用・成果を結び付けられない状態で課金が始まります。
3分でわかる今週の要点
AI回答内が有償面へ
検索広告(ショッピング)が8月31日から課金対象となり、Agent i回答内で配信機会が拡大しました。
除外・分離計測に制約
Agent i面だけの停止、掲載面別実績の確認、検索クエリー単位の分析ができません。
集計差分で監視する
管理画面で直接分離できないため、変更日前後の費用・売上・商品別成果を外部データと照合します。
何が変わったのか
1. 検索広告(ショッピング)が課金対象になった
LINEヤフーは、Agent i回答結果エリアで行っていた検索広告(ショッピング)のテスト表示を、8月31日から有償化しました。テスト配信の本格化に伴い、配信機会も拡大しています。初回告知は7月24日、実施日決定の追記は8月17日で、今回の調査期間内に実施と有償化後の更新が行われました。
2. 会話内容に合う広告をシステムが判断する
広告はAgent iでの質問内容に応じて表示されます。しかし、質問に含まれる語を対象外キーワードへ登録しても、必ず配信から除外されるわけではありません。従来の検索語句とキーワードの関係だけで配信制御を説明できない、新しいマッチング面です。
3. 検索広告(ショッピング)はAgent i面だけを止められない
ディスプレイ広告(運用型)はsearch.yahoo.co.jp/chatをプレイスメント除外すれば停止できますが、検索広告(ショッピング)はAgent i回答内への配信を停止できません。広告種別で制御方法が異なるため、社内ルールや運用手順を一律にしないでください。
search.yahoo.co.jp/chatをプレイスメント除外。配信先URLはsearch.yahoo.co.jpとして出力マーケティング実務への影響
配信面別ROASを直接算出できない
Agent i面の費用と売上を管理画面で分離できないため、通常の検索面とAI回答面を直接比較できません。全体ROASの変化をAgent iの成果と断定せず、8月31日を基準に日次費用、クリック、注文、商品別売上、自然検索・指名検索の変化を記録してください。
検索語句監査だけではブランドセーフティを担保できない
検索クエリーレポートにAgent i掲載実績が出ないうえ、対象外キーワードも必ず除外されるとは限りません。商品名、説明、画像、価格、在庫、リンク先、法令・社内審査で使えない表現を商品データ側から点検する必要があります。
AI回答面は国内で無視できない規模になりつつある
LINEヤフーは8月28日、Agent iと領域エージェントなどの延べ利用者数を合算した指標が1,200万DAUに達したと発表しました。ただし、複数サービスの平均DUB・DAUを合算した延べ値で、重複を除いた固有利用者数ではありません。10月には単独アプリ提供、領域エージェント40種への拡大も予定されています。
日本の広告主が今週行うこと
- 検索広告(ショッピング)の8月31日前後で、日次費用、クリック、コンバージョン、売上、商品別実績を保存する
- Agent i面の成果を分離できないことをレポート注記へ追加し、全体値の変化をAI面の効果と断定しない
- 商品フィードのタイトル、説明、価格、在庫、画像、リンク先、送料・返品情報を点検する
- 対象外キーワードだけに依存せず、出稿不可商品や表現をフィード・アカウント側で除外する
- サイト側の注文IDと広告計測の
transaction_idを整備し、重複排除と商品単位の売上照合を行う - ディスプレイ広告でAI回答面へ出したくない場合は、
search.yahoo.co.jp/chatの除外を確認する - LINEヤフーへ掲載面別費用・成果、検索クエリー、Agent i専用除外機能の提供予定を問い合わせる
Agent i面の配信量、クリック単価、コンバージョン率、広告の表示形式、広告主別の増分成果、全広告費に占める割合は公表されていません。1,200万DAUもAgent i関連サービスを合算した延べ指標です。規模と効果を混同せず、管理画面で確認できない項目を明記したうえで評価してください。
そのほかのニュース
Microsoft Advertising、検索キャンペーン向けAI Maxを全広告主へ
変更内容:検索語句マッチング、テキストカスタマイズ、最終ページURL拡張をまとめた任意機能を全広告主へ提供しました。新規検索キャンペーンでは既定で有効ですが、作成時・作成後に無効化できます。Google ImportではAI Max設定を引き継ぎます。
実務への影響:44件の広告主A/B実験で費用加重のコンバージョン増分は約13.6%でしたが、統計的に有意な改善が確認されたのは10実験です。全アカウントで8%以上伸びる意味ではありません。
日本での確認・対応:「AI optimized」ラベル、生成アセット、検索語句別ランディングページレポート、ブランド包含・除外、文言除外を確認し、既定オンの新規キャンペーンを公開前に審査してください。
Demand Gen、メッセージ誘導・旅行広告・動画生成を更新
変更内容:YouTube上のDemand Gen広告からメッセージアプリでブランドとの会話を始めるテスト、旅行者向けの現地体験・イベント・リアルタイムオファー、ホテル広告のパーソナライズを発表しました。Asset Studioのマルチモーダル動画生成は一般提供です。
実務への影響:広告クリック後の遷移先がWebだけでなく会話へ広がり、旅行商材では在庫・価格・地域情報の鮮度が重要になります。
日本での確認・対応:メッセージ誘導と旅行機能の国内提供状況、対応アプリ、会話開始後の計測方法は管理画面で確認し、動画生成物は人物・権利・商品表現を人が審査してください。
LINEヤフーのショッピング広告、コンバージョンAPIへ対応
変更内容:検索広告(ショッピング)で共通の計測タグとサーバーサイドのコンバージョンAPIに対応しました。transaction_idによる重複排除、注文金額・商品情報、クロスデバイス判定にも対応します。
実務への影響:ディスプレイ広告と横断した計測やブラウザー変化の影響を受けにくい計測基盤を作れます。従来タグとの併設は重複計測の可能性があります。
日本での確認・対応:既存タグと新タグ/APIのイベント対応表を作り、注文IDで重複排除を検証してください。従来版タグは2026年秋頃に新規作成終了予定です。
サイト評判の不正使用ポリシー、EEAで執行方法を変更
変更内容:8月30日から、サイト評判の不正使用に関する手動対策は、EEA外では対象部分へ従来どおり影響し、EEA内ではその影響を適用しません。対象部分は時間をかけてサイト本体と独立して評価される場合があります。
実務への影響:同じページでも閲覧地域により手動対策の影響が異なり得ます。ただしポリシー自体がなくなったわけではありません。
日本での確認・対応:第三者運営の比較・クーポン・タイアップ領域を棚卸しし、Search Consoleの手動対策を監視してください。日本検索はEEA外の扱いです。
生成AI検索の表示制御とSearch Console分析を世界展開
変更内容:AI Overviews、AI Mode、DiscoverのAI Overviewでサイトを回答根拠・リンクとして使うかを管理するSearch Consoleの切り替えと、AI回答での表示回数・掲載ページ・国別情報を全世界のサイトへ展開しました。
実務への影響:生成AI検索への参加可否と露出把握が、クロール設定ではなくSearch Console上の運用項目になります。オプトアウトしたサイトは生成AI機能からの表示・流入を失いますが、通常検索の順位シグナルには使われません。
日本での確認・対応:権限者、現在の設定、AI経由表示の基準値を保存し、通常検索と分けて評価してください。Google-Extendedやスニペット制御とは役割が異なります。
Agent iは40領域・単独アプリへ拡大予定
変更内容:LINEヤフーはAgent i関連の延べ指標が1,200万DAUに達したとし、10月までに40領域、10月に単独アプリ、2026年度中から8つの新プロトタイプを順次提供する計画を発表しました。
実務への影響:情報収集、買い物、ショート動画、行動支援の接点がLINE・Yahoo!内で増え、広告・商品データ・コンテンツがAIに解釈される場面も増える可能性があります。
日本での確認・対応:プロトタイプは提供前のものを含むため、広告枠や商用連携を既定路線と見なさず、正式仕様と計測方法が公開されてから判断してください。
出典
- LINEヤフー広告 API:AIエージェント「Agent i」におけるテスト配信について
- LINEヤフー:Agent iの新プロトタイプ8種と今後の展開
- LINEヤフー広告 API:検索広告(ショッピング)の計測タグ・コンバージョンAPI対応
- Microsoft Advertising:Reimagining Search campaigns for the AI era with AI Max
- Google Ads:Reach more customers with August’s Demand Gen Drop
- Google Search Central:Update to the Site Reputation Policy
- Google:New opportunities, control and insights for website owners