WEB MARKETING WEEKLY

Google広告、AI Maxを
複数キャンペーンで検証へ

AI Maxを一括導入する前に、予算とROI目標を複数の検索キャンペーンで横断検証する機能が登場します。計画から本番反映までが短くなる一方、承認手順と計測品質はこれまで以上に重要です。

公開 2026.08.26最終更新 2026.08.27調査期間 2026.08.19 03:00〜08.26 02:59(日本時間)約11分
複数検索キャンペーンを横断
1回A/Bテストで予算・ROIを比較
9月新テスト機能の展開開始予定

Googleは2026年8月20日付の公式ブログで、AI Maxを含む検索広告のテストと計画を強化すると発表しました。中心となるのは、複数の検索キャンペーンに対する異なる予算とROI目標を、1つのA/Bテストで比較する新機能です。9月から段階的に展開するとしています。

従来の入札目標調整ツールが、目標CPA・目標ROASの変更へ備える機能だったのに対し、今回は複数キャンペーンをまとめて「どこへ予算を増減し、どの目標なら事業成果が伸びるか」を検証する段階へ進みます。Performance Plannerから提案変更を本番キャンペーンへ直接反映できるようになったため、操作の速さだけでなく、誰が何を承認するかまで含めて運用を見直す必要があります。

3分でわかる今週の要点

01

予算・ROIを横断テスト

複数の検索キャンペーンを1つのA/Bテストへまとめ、予算配分やROI目標を変えた場合の事業成果を比較します。

02

ブランド・地域の制御を維持

AI Maxの実験でブランドや地域の制御を使いやすくし、ガードレールを保ったまま自動化の増分を検証します。

03

計画から本番反映が直結

Performance Plannerの提案を確認後、対象を選んでライブキャンペーンへ直接適用できます。変更管理が新たな重点です。

何が変わるのか

1. 複数キャンペーンの投資判断を同じ実験で比較する

新機能では、検索キャンペーンごとに別々のテストを作るのではなく、異なる予算とROI目標を複数キャンペーンへまたがって検証します。Googleは「スケールアップが収益へどう影響するか」を確認できると説明しています。ただし、対象キャンペーン数、国・言語別の提供範囲、統計判定の詳細は発表記事では示されていません。

2. AI Maxのガードレールを残したまま試す

AI Maxの1クリック実験は、既存キャンペーンのトラフィックと予算を対照群と試験群へ分け、コピーした別キャンペーンを作らずに比較します。新しい機能では、ブランドや地域の制御を使う広告主もテストしやすくなります。Google Adsヘルプでは、ブランド包含・除外を実験中の対照群と試験群の双方へ適用すること、検索語句マッチングやテキストカスタマイズ、最終ページURLの拡張を調整できることが説明されています。

3. Performance Plannerの提案を本番へ直接適用する

Performance Plannerは、直近7〜10日のデータ、季節性、競合状況などから予測を作り、予算や入札目標の変更案を示します。新しい「Apply suggested changes」操作では、キャンペーンごとの変更を確認して対象外を外した後、ライブキャンペーンを即時更新できます。変更は一括操作画面で監視・取り消しできますが、予測は将来の成果を保証するものではありません。

機能提供状況運用上の確認点
複数キャンペーンA/Bテスト9月から段階展開予算とROI目標を横断比較。日本アカウントでの表示、対象数、利用条件は管理画面で確認
AI Max実験の制御新機能を案内ブランド包含・除外は実験中、対照群と試験群の双方へ適用。地域設定も開始前に差分を記録
Performance Planner直接反映ヘルプに手順掲載提案対象を個別に外せる。本番へ即時反映されるため、承認者とロールバック手順が必要

マーケティング実務への影響

「キャンペーン単位の勝敗」から「予算配分全体の増分」へ

複数キャンペーンを横断する実験では、1件のCPAだけでなく、アカウント全体のコンバージョン価値、粗利、新規顧客、店舗来店、有望リードなど、事業に近い指標で判断しやすくなります。逆に、同じコンバージョン名でも価値や品質が異なる状態では、AIが効率のよい低品質成果へ予算を寄せる可能性があります。

自動適用の前に、変更前スナップショットが必要

Performance Plannerから本番へ直接反映できることは作業短縮になりますが、確認画面を通過した時点で予算と入札目標が変わります。実施前の設定、予測値、承認者、実施日時、対象外にしたキャンペーンを記録し、変更後の一括操作履歴と突き合わせられる状態にしてください。

十分な期間とデータ量を確保してから結論を出す

Googleは実験結果が未確定の場合、少なくとも4〜6週間の実施を推奨しています。セール、連休、在庫切れ、計測タグ変更、ランディングページ改修が同時に起きると、AI Maxや予算配分だけの効果を切り分けにくくなります。短期のCPA改善だけで自動適用せず、コンバージョン遅延と利益を含めて評価してください。

日本の広告主が今週行うこと

  1. 検索キャンペーンごとに主目的、主要コンバージョン、目標CPAまたは目標ROAS、粗利基準を一覧化する
  2. 低品質リード、重複成果、電話の短時間通話などを主要コンバージョンから除外できているか確認する
  3. ブランド包含・除外、地域、URL包含・除外、最終ページURLの拡張、テキストカスタマイズの現状を保存する
  4. 共有予算、ポートフォリオ入札、Bidding exploration、進行中の実験など、AI Max実験の非対応条件を確認する
  5. 新テストが表示されたら、小規模で安定したキャンペーン群から始め、4〜6週間を目安に評価期間を確保する
  6. Performance Plannerの提案を反映する権限を限定し、実行前承認、設定記録、取り消し判断の担当者を決める
  7. 日本アカウントでの提供状況、対象キャンペーン数、地域制御の挙動を管理画面と公式ヘルプで再確認する
発表からは確認できないこと

Googleは今回の新機能について、広告成果の平均改善率、実験対象キャンペーン数の上限、日本での展開日、対応言語、統計的有意性の判定方法を公表していません。また、Performance Plannerの予測は直近データを基にしたシミュレーションであり、実績を保証しません。利用可能になったことと、適用すべきことは分けて判断してください。

そのほかのニュース

Microsoft、AIショッピング対応の90日プレイブックを公開

変更内容:Microsoft Advertisingは、Merchant Centerの商品フィード、Bing・CopilotのAIネイティブ広告、Copilot Checkout、サイト内Brand Agent、Microsoft ClarityのAI Visibilityを「見つかる・選ばれる・測る」の3段階で整備する90日計画を公開しました。Adobe Analyticsによる米国データとして、2025年ホリデー期のAI経由小売トラフィックが前年比693.4%増、2026年3月のAI経由訪問のコンバージョン率が非AI経由より42%高かったことも引用しています。

実務への影響:商品フィードは広告配信用の一部商品だけでなく、AIが比較・推薦できる完全性と鮮度が重要になります。一方、急増率は元の構成比が小さい段階の米国データで、日本の売上構成を示すものではありません。

日本での確認・対応:型番、価格、在庫、送料、返品、画像、商品属性を更新し、AI参照元からの流入を解析ツールで分けて記録してください。Copilot Checkoutや各広告面の国内提供状況は導入前に確認します。

Preferred Sourcesへ追加する公式インタラクティブボタンが登場

変更内容:Googleは、読者がサイトを「優先する情報源」へ追加し、そのページへ戻れる公式ボタンの実装方法を公開しました。標準実装はスクリプトとdivの2行で、言語と明暗テーマを自動調整できます。選ばれた媒体はTop Stories、AI Mode、AI Overviewsで優先バッジ付き表示の対象になり得ます。

実務への影響:検索流入だけでなく、既存読者へGoogle上で再発見してもらう導線を自社サイト内に置けます。ただしGoogleは、ドメイン直下またはサブドメインだけを対象とし、同一ドメインのブログ用サブディレクトリは対象外と明記しています。

日本での確認・対応:まず公式のsource preferences toolで自社ドメインが候補に出るか確認してください。MarkeSignalはrss-web.blog/markesignal/というサブディレクトリ公開のため、現行条件ではボタンを追加しません。条件が変わるまで既存デザインも変更しません。

Google検索のAI Modeにノートブックとファイル生成が拡大

変更内容:Googleは学習用途として、AI Mode・AI Overviewsの生成UIと練習問題、Lensの対話型学習、AI Modeのノートブック、資料から文書・スライド・表計算・テキストを作る機能を発表しました。ノートブックは英語で180超の国へ展開し、現地語対応は後日としています。

実務への影響:利用者が複数の出典や過去の会話を検索内で整理し、成果物まで作れるため、教育・研修・比較コンテンツは「読まれる記事」だけでなく、出典として再利用しやすい構造が重要になります。

日本での確認・対応:一次データ、更新日、著者・組織、表や定義、参照可能な見出しを明確にしてください。英語での世界展開と日本語対応は同じではないため、日本語アカウントで利用を確認するまでは国内提供済みと表現しません。

出典・調査方針

対象期間は日本時間2026年8月19日03:00:00から8月26日02:59:59までです。境界日の海外発表については発表主体の地域と公式ページの日付を確認し、期間内と判断できるものだけを掲載しました。製品発表、公式ヘルプ、引用された調査の原典を照合し、提供済み、段階展開、今後提供を区別しています。